皆さんこんにちは!静岡県三島市を中心に屋内の配線工事や強電圧の設備工事を行っている株式会社 山本電設です。店舗から病院や工場、公共施設の工事まで幅広く対応しています。
ビルや工場、住宅など今や私たちが生活していくうえで欠かせない物となっている電気ですが、実際には電力会社から送電され、どのように建物まで引き込まれているかご存じでしょうか?電気工事はプロの業者にお任せする際でも、スムーズに工事を進めるために、工事の内容や手順について、打ち合わせを行っています。
そこで今回は電気設備工事に関する基礎知識を解説していきます。
■電気設備工事とは?
電気設備工事とは、建物や施設における電気設備を設置するための工事のことです。具体的には、配線やコンセント、照明、スイッチなどの電気設備を設置・修理・保守する作業を指します。電気設備工事は建物の安全性や快適性に大きく関わるため、専門知識と技術が必要です。電気設備工事は建設現場や住宅、商業施設など様々な場所で行われ、建物や施設の用途や規模に応じて異なる工事が行われます。
■電気設備工事の内容について
電気設備工事の内容は、まず計画と設計から始まります。建物や施設の用途や規模に合わせて、適切な配線や設備を決定します。次に、実際の工事が始まります。配線や設備の取り付け、接続作業が行われます。工事が完了したら、設備の動作確認や安全性の確認が行われます。最後に、工事の報告書や保証書などの書類作成が行われ、工事が完了します。電気設備工事は、専門的な知識や技術が必要な作業です。電気工事士の資格を持つ者が行うことが一般的です。また、電気設備工事は、建物や施設の安全性や快適性に大きく関わるため、正確かつ丁寧な作業が求められます。
■電力の引き込み工事について
電気設備工事の中でも重要な引き込み方式には2種類あります。
・地中方式
地中方式は、建物や施設に電気を供給するための電力の引き込み工事の一つです。通常、電気は送配電線から建物内に引き込まれますが、その際に地中に埋設する方法が地中方式です。
地中方式の電力引き込み工事は、まず地中に埋設するためのトレンチ(溝)を掘ります。その後、電力ケーブルを敷設し、適切に接続していきます。電力ケーブルは通常、地中に埋設されるため、適切な深さや保護措置が必要です。また、建物内に引き込む際には、建物の基礎や壁を通じてケーブルを通す必要があります。
地中方式の利点は、配電線が地中に埋設されているため、景観を損なわず、電柱や配線からの事故リスクを低減できることです。また、天候や外部要因による影響を受けにくく、安定した電力供給が期待できます。ただし、敷設コストやメンテナンスの面で、地上方式と比較して高くなることがあります。
地中方式は、主に建物や施設が密集している都市部などで採用されることが多く、電柱や配線が目立たない美観重視の地域では好まれる傾向があります。地中方式の電力引き込み工事は、地域の環境やニーズに合わせて慎重に計画・実施される必要があります。
・架空方式
架空方式は、建物や施設に電気を供給するための電力の引き込み工事の一つです。通常、送配電線が電柱などに架空に設置され、建物や施設に電気を供給します。架空方式は、地中方式と比較して敷設が容易であり、比較的低コストで工事が行われることが特徴です。
架空方式の電力引き込み工事は、まず送配電線を建物や施設に引き込むための支持金具を取り付けます。次に、送配電線を支持金具に取り付け、適切な高さや位置に設置します。送配電線は通常、建物や施設に引き込むために地中に埋設された電力ケーブルと接続されます。接続部分は適切に絶縁され、安全性を確保します。
架空方式の利点は、敷設が比較的容易であることや、メンテナンスが容易であることが挙げられます。また、建物や施設への電力供給が迅速に行えるため、工期の短縮やコスト削減にも貢献します。一方で、景観を損なうことや、天候や外部要因による影響を受けやすいという欠点もあります。
架空方式は、主に地域の特性やニーズに応じて採用されます。景観を重視する地域や、敷設コストを抑えたい場合に適しています。架空方式の電力引き込み工事は、安全性や効率性を考慮しながら計画・実施される必要があります。
■電気設備工事の種類
・電灯、照明、コンセント設備
電灯・照明・コンセント設備工事は、建物や施設における電気設備の一部を担う重要な工事です。これらの設備は、日常生活や業務活動において欠かせない役割を果たしています。
まず、電灯設備工事についてです。電灯は、建物内外の照明や灯火類を指します。電灯設備工事では、適切な場所に照明器具を取り付け、電源との配線を行います。これにより、建物内外の明るさを確保し、安全で快適な環境を提供します。
次に、照明設備工事についてです。照明は、電灯と同様に建物内外の明るさを調整するための設備です。照明設備工事では、照明器具の種類や配置、スイッチや調光器の取り付けなどを行い、建物内外の照明を効率的に管理します。
最後に、コンセント設備工事についてです。コンセントは、電気機器を接続するための装置であり、建物内の電気利用を可能にします。コンセント設備工事では、適切な位置にコンセントを設置し、電気配線を行います。これにより、電気機器の使用を容易にし、生活や業務の効率を向上させます。
電灯・照明・コンセント設備工事は、建物や施設の利用者にとって重要なサービスを提供するとともに、安全性や快適性を確保する役割を果たしています。適切な設備工事を行うことで、建物や施設の利用価値を高めることができます。
・高圧受変電設備工事
高圧受変電設備工事は、送電線からの高圧電力を受け取り、建物や施設内で使用可能な低圧電力に変換する工事です。この工事は、工業用や商業用の建物、大規模な住宅地などで行われ、安定した電力供給を確保するために重要です。
高圧受変電設備工事の主な作業内容は、以下の通りです。
まず、送電線からの高圧電力を受け取るための受電設備を設置します。受電設備には、遮断器や避雷器、測定機器などが含まれます。これらの設備は、高圧電力を安全に受け取るための重要な役割を果たします。
次に、受け取った高圧電力を変圧器を使用して低圧に変換します。変圧器は、高圧側と低圧側を絶縁しており、電力の安定供給を確保します。変圧器は建物や施設内に設置され、低圧電力に変換された電力を配電盤やコンセントなどに供給します。
高圧受変電設備工事は、専門的な知識と技術が必要であり、安全性を確保するために様々な規制や基準に適合する必要があります。また、定期的な点検や保守が必要です。これにより、安定した電力供給を確保し、建物や施設の運用に必要な電力を確保します。
・LAN配線設備工事
LAN配線設備工事は、LANケーブルを使用してコンピューターやネットワーク機器を接続するための工事です。LAN(Local Area Network)は、建物内や施設内など限られた範囲内でコンピューターや機器同士を接続するためのネットワークです。LAN配線設備工事では、LANケーブルを敷設し、適切な場所にコンピューターなどの機器を接続するためのポートやジャックを設置します。
LAN配線設備工事の主な作業内容は以下の通りです。
まず、LANケーブルを敷設するための経路を決定します。建物や施設の構造や用途に応じて、最適な経路を選定し、配線を行います。配線には、壁や床を通す場合があり、建物の改造や修復が必要な場合もあります。
次に、LANケーブルを接続するためのポートやジャックを設置します。これにより、LANケーブルをコンピューターやネットワーク機器に接続し、通信を行うことができます。ポートやジャックの設置場所は、使用する機器の配置や利用環境に合わせて適切に決定されます。
LAN配線設備工事は、建物や施設内のネットワーク環境を整備し、スムーズな通信を実現するための重要な工事です。LAN配線設備工事を行うことで、コンピューターやネットワーク機器を効率的に利用し、業務効率や生産性の向上を図ることができます。
・太陽光発電
太陽光発電工事は、太陽光を利用して電力を生成する設備を建設・設置する工事のことです。太陽光発電は、環境にやさしい再生可能エネルギーであり、近年注目を集めています。太陽光発電工事は、太陽光パネルや変換装置、接続装置などの設備を建設現場に設置する作業を含みます。
太陽光発電工事の主な作業内容は以下の通りです。
まず、太陽光パネルの設置場所を決定します。太陽光パネルは、建物の屋根や地上の設置台などに設置されます。設置場所は、太陽光の取り入れやすさや風や雨などの自然環境に配慮して選定されます。
次に、太陽光パネルを設置するための支持台や架台を組み立てます。支持台や架台は、太陽光パネルを安定して設置するための重要な部品です。組み立て作業では、耐久性や安全性を考慮して適切に設計・施工されます。
最後に、太陽光パネルを支持台や架台に取り付け、太陽光発電システム全体を完成させます。パネルの接続や配線、変換装置の設置など、様々な作業が行われます。完成した太陽光発電システムは、電力を発電するための設備として稼働します。
太陽光発電工事は、再生可能エネルギーの普及に貢献する重要な工事です。太陽光発電システムの設置により、地球環境への負荷を減少させ、持続可能な社会の実現に向けた一歩となります。
・オール電化
近年、注目を集めている「オール電化」。これは、従来のガスや灯油ではなく、家庭で使用するエネルギーを全て電気でまかなうシステムです。電気設備工事において、重要な選択肢となりつつあります。例として、電気温水器やIHクッキングヒーターが挙げられます。
オール電化の作業内容は以下の通りです。
まず、従来のガス給湯器や灯油ストーブなどの設備を撤去します。これにより、新しい電気給湯器や電気暖房機器の設置スペースを確保します。次に、新しい電気給湯器や電気暖房機器を設置するための配管や配線工事を行います。これにより、電気を効率的に供給するためのインフラを整備します。最後に、新しい電気給湯器や電気暖房機器を設置します。これにより、オール電化が完了し、電気だけで暖房や給湯を行うことが可能となります。
オール電化を導入する事により、ガスや灯油などの燃料を使わずに電気だけでエネルギーを供給するため、省エネルギー化が図れます。また再生可能エネルギーである電気を利用することで、環境への負荷を軽減できます。しかし、オール電化工事には初期費用や設備のメンテナンスなどの課題もあります。将来のエネルギー価格の変動や設備の寿命なども考慮して工事を検討する必要があります。
■まとめ
今回は、電気設備工事の概要や工事の種類について解説していきました。
電気工事に関してプロの業者に施工をお願いする際にも、業者と打ち合わせをする機会も出てきます。その際に工事の内容について大まかに知っているのといないのでは、理解の度合いも変わってきます。その為事前に理解しておく必要があります。
電気設備工事は、専門知識と技術が必要なため、DIYで施工することは非常に危険です。電気設備に関するトラブルが発生した場合は、必ず電気工事士に依頼してください。
電気設備工事は、私たちの生活を支える重要なインフラを築く重要な役割を担っています。信頼できる電気設備工事会社と協力し、安全で快適な暮らしを実現しましょう。